髪質改善のメリットデメリット

近年知名度を上げ主流となりつつあるメニュー『髪質改善』、私個人の主観なのですが、髪質改善という言葉があまり好きではなく意識してメニュー名には使っていませんでした。

理由は『髪質改善』という言葉にはメリットの側面しか伝わってこないからです。

髪質が改善されるのであれば良い事しかないのですが、その一方で髪質改善をしたらダメージをしてしまったというお客様も多いのが事実です。

その時は良かったけど髪質改善した髪の毛にパーマをかけたらチリチリになった、ブリーチした髪の毛に髪質改善をしたらチリチリになった、割と良くある話です。

現在髪質改善で主流なのは『酸熱トリートメント』や『酸性ストレート』、『弱めの縮毛矯正』、このあたりが多いように見受けられます。

どれも上手に使えば素晴らしい技術なのですが、『髪質改善』という言葉が一人歩きをして過剰にやり過ぎたり、デメリットを把握していないとある時髪の毛がボロボロになってしまうという悲しいことが起きてしまいます。

髪質を変える=髪の毛の形をかえる
という事なので、何らかの負担は必ず生じるはずなのです。
その負担と髪質が整うメリットを天秤にかけて使う技法や薬剤を選定するのが美容師の役目です。

酸熱トリートメントはもともと髪の毛にない結合を作ってうねりを補正したりする技術です。
髪の毛自体の結合を切るわけではないので髪の毛に自体に負担をかけずに形の補正ができるのですが、高温のアイロンを使ったりすることによる熱のダメージが出たり(上手にコントロールしてる美容師ももちろんいます)、不要に髪の毛にない結合を増やす事によってゴワつきや、その後のパーマや縮毛矯正に悪影響を与える事があります。

酸性ストレートも髪の毛の等電点(バランスが取れるpH)を乱さずストレートにする事が出来ますが、高温アイロンワークでストレートに整えていく必要があるので熱による髪の毛内部の癒着がおきたり、酸性=傷まないの過信から生まれる失敗があるのも事実です。
酸性でも傷みます。

弱めの縮毛矯正も、髪の毛の形状を変えるので間違いなく傷みます。
ただ、癖を伸ばさないと綺麗に見えない髪の毛があるのも事実なので必要な技術ではあります。
ただ、そこに髪質改善という言葉がついてくるとお客様は良いものだと思ってしまうので、そこは美容師の技術やカウンセリング力、施術の計画性が必要になってきます。

どんな施術も良い面もあれば悪い面もある、向き不向きがあるのでそこを必ず理解して行っていく必要があります。

髪質改善が悪いわけではありませんが、髪の毛の状態を変えるという事は必ず何か負荷がかかるので、その負荷をうまくコントロールしながら結果綺麗な状態に持っていき、長期的にコントロールするのが理想です。

ここからは私事になるのですが、ここまで髪質改善という言葉がメニュー名のように定着すると、わかりやすくメニューとしてお客様に提示する必要があるのかなと思いはじめてきました。

今までもメニューにはないですがオーダーメニューで髪質改善のような事はしてきてましたが、今後本当の意味でお客様にとってその場しのぎではなく、長く綺麗な状態を保ちその後のスタイルチェンジに影響が出ない、計画的な髪質改善を提案できるようなメニューをご提案させていただければと考えています。

今までは意識して避けていた髪質改善という言葉ですが、今後はわかりやすくお客様にこのようなメニューがあるという事を伝えるために、この『髪質改善』という言葉を使わせて頂くと思いますので、その時は後々の事まで考えた本当の意味での髪質改善をご提案させて頂きますので、興味がある方はお気軽にお問い合わせ下さい。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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