カラーリング後のホームケアの重要性
「カラーの直後は髪がデリケートになっているのできちんとケアをしてくださいね!」と言われた事がある方は多いと思いますが、なぜ重要なのかを知っている方は実は少ないのではないかと思います。
色落ちが早くなる、ダメージが進んでしまう等の悪い事が起きるのはご存知だと思うのですが、その根本的な原因を知ればカラーリング後のホームケアの重要性がご理解していただけると思うので、本日はその原因をお話しさせていただきます。
1番大きな原因として「ph」の変動があります。
理科や化学の授業で聞いたことがある方が多いと思いますが、phとは水素イオン指数、わかりやすく言えば物質のアルカリ性、酸性度合いを示す物理量です。
ph7を中性としそれ以上だとアルカリ性、以下だと酸性になります。
ちなみにお水はph7の中性ですね。
髪の毛は元々生えてきた健康な状態だとph4.5~5.5くらいで、この髪の毛が酸性の状態が1番安定してる状態です。
そしてヘアカラー剤は基本ph10くらいの強めのアルカリ性で、髪の毛はアルカリ性に傾くとキューティクルが開きます。
開いたキューティクルの隙間をカラー剤が入り込んで内部に浸透しメラニン色素を分解し染料が発色するのがカラーリングのメカニズム、アルカリの力はカラーリングには必要不可欠なのですが、このアルカリ性に傾いたままでカラーリングを終わらせてしまうとキューティクル、すなわち髪の毛のドアが開いたままになってしまうので髪の内部の栄養分や染料が流出してしまうので色落ちやダメージに繋がってしまうのです。
ただ、美容室のカラーリングでは酸リンスやバッファー剤と呼ばれる酸性の薬剤を使い髪の毛をある程度酸性側に戻す事が出来るのですが、ph10までアルカリ側に傾いた髪を短時間でph4.5~5.5まで酸性側に持っていく強い酸を使ってしまうとヘアカラーの色味が変色してしまうので美容室の施術では限界があるのです。
カラー剤塗布後(髪のph10)
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酸リンスを塗布、乳化(ph8)
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シャンプー
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酸リンス
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トリートメント
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仕上げ(ph6)
美容室でできるのはここまで、ph6から4.5~5.5まで酸性側に戻すにはお家で弱酸性のシャンプー、トリートメント等のホームケアの用品を使い1週間程かけてゆっくり戻さなければいけません。
ph6の髪の毛が特にケアを気をつけずいつも通り過ごしているとph4.5~5.5に戻るまで約1ヶ月かかると言われてます。
その間1ヶ月、髪の毛のドア、すなわちキューティクルが半開きになっているので中の栄養分やカラーの染料が流出し続けるのでダメージや色落ちの原因になってしまうのです。
そしてキューティクルが閉じ切ってないので髪の毛自体が非常にデリケートな状態が長引き、キューティクルの欠落、そして枝毛になり切れ毛になるという負の連鎖が続いてしまいます。
【開けたドアはきちんと閉める】これがヘアケアの鉄則です。
カラーリングを楽しむ時はどうしても髪の毛のドアを開いてあげないと施術が出来ません。
そしてそのドアを乱暴に開け閉めしてしまうと、ドア自体が壊れダメージやヘアカラーの変色に繋がってしまいます。
151eは優しくドアを開き、優しくドアを閉まる寸前まで持っていきます。
でも最後ドアを閉める時はお客様にご協力していただかなければなりません。
美容室の施術ではカラーリングは終わりきってない、お客様自身にお家でしていただかなければならない事がある、これがカラーリング後のホームケアの重要性です。
きちんとしたホームケアをしていただくと色持ちが良くなるばかりでなく髪の毛のコンディションも保たれ素敵な髪色が長く楽しめます。
髪の毛をデザインするという事は美容師とお客様が二人三脚で協力し合わなければならない事があります。
美容師がやるだけではダメ、お客様が頑張るだけでもダメ、お客様と一緒に素敵なヘアデザインを作って行けたらと思います。
気になる方はお気軽にお問い合わせください。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。